樹齢数千年の縄文杉にもののけ姫、魅惑の屋久島【日本旅行記 鹿児島県その2】
樹齢数千年の縄文杉にもののけ姫、魅惑の屋久島【日本旅行記 鹿児島県その1】より続く。
その他の魅力
土埋木
屋久杉は江戸時代に屋根材として大量に伐採されたが、主に加工しやすい部分のみが使われました。その他の利用されなかった硬い枝や幹や根株は、放置されてきました。
しかし、屋久杉は、栄養分の少ない花崗岩の上に育つため成長が遅く木目が詰まっていること、また屋久島は降雨が多く湿度が高いため樹脂を多く含んでいること、から200~300年経った現在でも腐ることなく残っています。これらの残材を「土埋木」として、貴重な屋久杉工芸品として利用しています。
土埋木
苔の力
下の写真を見ると、石の上に大きな木が生えている。これは、屋久島に来ると至るところで見る事ができる特徴的な不思議な光景。
その理由は、苔が石のうえに張り付いているためで、苔には水分補給の役目のみならず、除菌や防虫作用があり食害から守る成分があり、木にとっては住みやすい環境を整えてくれるからである。
石の上に生えた木
芸術的な切株
樹齢数千年の切株の表面は芸術的。屋久杉ファンが多いのも当然だろう。
枕状溶岩
屋久島の基盤となっている地層は、今から約2億万年前から6千万年前の中世代ジュラ紀から新世代古第三紀のころに海底に堆積してできたものだという。
一般に枕状溶岩は、海底の火山から玄武岩質溶岩が噴出して出来る。水深数千mの深海底で噴火するため数百気圧の水圧が加わり、流動性の高い玄武岩の溶岩は流れることなくコロコロと枕状の形となったものだそう。
マングローブの木
屋久島で見かけた植物たち
植物を見ると、まさに熱帯性の島という印象。
屋久島で見つけた生き物たち
ヤクシカ
ヤクシマザル(ヤクザル)
そしてヘビ
自然動物たちと出会えるが、注意しないと怖いかも。
屋久島の絶景
このような鬱蒼と生い茂る緑深い森の中をトレッキングしてきた。この降雨量が多く気温差に加え台風等の厳しい環境に耐え抜きながら、未だ知られていない木々や動植物たちがいるのではないだろうか?
屋久島は断崖絶壁の険しい山もある大自然だ。
屋久島グルメ
屋久島グルメといえば名物トビウオに舌鼓、そのあと温泉で旅の疲れを癒します。
じいじ家の屋久島バーガー。飛魚にサバ節にシイラ、とあまり馴染みのない屋久島ならではのハンバーガーを食べることができる。オイラは、飛魚とサバ節を選んだが、写真はあまりきれいに写せなかったので割愛します。
屋久島空港(帰途)
きれいな青空の下、ぽつんとプロペラ機が一機のみ待機してくれている。のどかな光景。
飛行機に乗り込み、楽しかった屋久島とお別れです。
屋久島ってこんなとこ
屋久島は、1993年に島の面積の20%強がユネスコ世界自然遺産に登録されました。
そのすごさは、推定樹齢数千年と言われる縄文杉が存在するだけでなく、島の面積500㎢(東京都ぐらい)周囲130Kmの中に、山々は最高峰1935mを含み1000m超が46座あり「洋上のアルプス」と呼ばれ、気候は亜熱帯から亜寒帯まで「ほぼ日本全国の気候」、植物は日本の70%以上1500種がひしめき合う中に固有種が約40種ある「東洋のガラパゴス」と呼ばれる、あらゆるものが凝縮したような島です。
また、台風が多く「ひと月のうち35日は雨」というほど日本一雨が降ることでも有名で、厳しい自然環境の中で生き抜く動植物、何千年もかけてできた神秘に満ちた島です。
こぼれ話
なんともフレンドリーな屋久島町民の話。
オイラは、トレッキングが終わり温泉に浸かったあと、夕食に出かけた。その際、夕食前に衣服の洗濯のためコインランドリーに行って洗濯機に衣服を放り込んでいた。
そこへ、地元民の一台の車が。ご夫婦と小学生低学年らしきお子さんがぬいぐるみを大量に車のトランクから出し、コインランドリーへ向かってきた。ご夫婦が無造作にぬいぐるみを洗濯機に放り込んでいる間、子供は虫かごになにやら素手で手に取って虫かごに入れている。
よく見ると、大きな蜘蛛。さすがに屋久島で育つと子供もたくましいと思い見ていたら、ご夫婦から「どこから来たの?」と、話しかけられた。ものの5~10分話しただけなのに、プライベートな話になり、ついには「僕の家は直ぐ近くだから家においでよ、一緒に飲もうよ」と嬉しい言葉。
しかし、翌日もトレッキングの予定で時間が貴重だったので丁重にお断りしたが、後悔。地元民のご自宅にお邪魔したかったなぁ。それにしても、数十分しか会話をしていないコインランドリーで出会った初対面の人を自宅に誘うとは、何ともフレンドリーすぎる屋久島町民が好きになりました。
お勧め
屋久島観光は、縄文杉や苔むす森を見たければトレッキングが主となる為、体調を整え靴や装備の準備が必要となります。
縄文杉等の目的を見るための19kmの道のりは結構辛く筋肉痛になるかもしれませんが、大自然の中で現物に接したときの感動と達成感はひとしおです。その後には、温泉で疲れを癒し美味しい食事に舌鼓、幸福感はMAXとなると思います。
友人と、夫婦で、カップルで、ほな旅いこか。