ダナンからホーチミンへのチャンパ王国の旅【世界旅行記ベトナム編その2】

2022年1月6日友人と, 東南アジア, 海外1999年, アジア, ベトナム

オイラは、1999年10月にホーチミンに行ったが、ベトナムを知るにはやはりチャンパ王国を観なければという思いに駆られ、12月にベトナムのダナンからホーチミンまで友人と約1000kmの行程をバスで行った。そこにはかつて大王国がこの地を支配していた「夢のあと」の世界があった。

それではベトナムダナンからホーチミンへの友人との旅の様子を、どうぞ。

この旅の魅力

192年に建国したチャンパ王国は、15世紀後半まで約1300年弱港湾貿易により栄えた巨大王国であった。
遺跡は残念ながら形を留めていないものが多いが、いたる所にある祠堂等を見るとその繁栄さがわかる。

この旅は、ダナンを始点に1999年に世界遺産に登録された古都ホイアン、ミーソン遺跡をから南下しホーチミンまでを楽しむ旅である。

かつて繁栄著しかった現在ののどかなベトナム、そしてベトナム戦争の爪痕、各自の思いで見る事ができます。

チャンパ王国の旅

ミーソン遺跡群

ミーソン遺跡群は、古代ベトナムのチャンパ王国の聖なるヒンドゥー教遺跡群(約3㎢)であり、1999年に「ミーソン聖域」としてユネスコ世界文化遺産に登録された(チャンパ王国については後述)。


ミーソン遺跡への道中


このような手作りの竹製の橋を渡って向かう、若干怖い。

地元の人が何気に魚をとっているようだ

ミーソン遺跡道中の看板


手前にあるのは、倒壊した柱


ヒンドゥー教シヴァ神の象徴リンガ

Q.リンガとは
A.シヴァ神の象徴としての男根をかたどった像。エネルギーの象徴である。

ヒンドゥー教のすばらしいレリーフ、シヴァ神像

聖なる鳥とされるガルーダの嘴にたとえられるこの山は、ヒンドゥー教の神々の楽園とされていたという。手前にあるのは、倒壊した柱。

ビンディン遺跡群(金塔)

ビンディン遺跡群(金塔)

ビンディン遺跡群(銀塔)


ビンディン遺跡群(銀塔)

ニャチャン

全長7kmにおよぶ砂浜、ベトナムのリゾート地。現在は特に欧米人で賑わっているそうな。

ニャチャンのビーチリゾートホテル、本来透明度の高い海だそうだが生憎の天気と夕刻であり良さがわからなかった。ここは、ダナンとホーチミンの中間に位置しており、とっても不便なところにもかかわらず日本人の若い女性も数人いたのが驚き。

ポーナガル遺跡


チャンパ王によって8~9世紀に建立したヒンドゥー教の「レンガ造りの祠堂」であり、現在は5つある。現存するチャンパ王国の遺跡としては最古。当時は修復中であったが、現在は有料で観光地化されているとのこと。


ポーナガル遺跡

ニャチャン周辺

のどかな港町。


ポーナガル塔の丘からチャンフー橋、ニャチャン市街を望む


この長い橋を渡って何処へ行くのだろう?


いったい、このトラックには何人乗っているのだろう?昔懐かしいベトナムらしい風景、今はどうだろう?

ポークロンガライ遺跡

ドイチャウとよばれる丘の上にレンガ造りの祠堂が4つある。


特徴のある門越しに眺めた主祠堂


真ん中の建物は宝物庫


主祠堂。保存状態は比較的よく、シヴァ神のレリーフがしっかり残っている。


地元の若者が結構いた、眺めも良くリラックスしている様子


主祠堂の中にムカリンガ(人の顔を彫ったリンガ)が祀られている


ポークロンガライ遺跡の丘から見下ろした景色

チャンパ王国とはこんな国

チャンパ王国は、192年に現ベトナム中部から南部にチャム人が建国。

港市国家※として中国とインドさらには欧米諸国にまで交易を広げ栄華を極め1300年代にはミーソン聖域に70を超える祠堂を建立している。

しかし、1471年にチャンパ王国滅亡、以降誰も手を付けることなくジャングルと化していた。その後、1898年にはフランス統治時代にフランス人探検家に発見されるものの、1969年には残念なことにベトナム戦争により大半の遺跡が破壊されてしまった。

2005年3月には、日本国際協力機構(JICA)の技術協力によりミーソン遺跡展示館が開館している。

Q.港市国家とは?
A,,Wikipediaによると、「港市国家とは、19世紀までに形成された東南アジアの伝統的国家に関するひとつの国家類型」とのこと。扶南、チャンパ王国、シュリーヴィジャヤ王国、マジャパヒト王国、アユタヤ王朝、マラッカ王国、とそれぞれその時代の地の利を活かした交易により栄えたが、港市国家は「対外的な交易と地域における主要な消費地としての国家」をいう。

お勧め

チャンパ王国は、1800年以上も前に建国、その後1200年以上も続いた国家であり、ベトナム中部から南部にかけて主として丘の上には数々の遺跡が残っており当時栄華を極めた様子が想像できる。

現在の柔和なベトナム人に触れてのんびりした田舎町を車で遺跡を見ながら走ると、ベトナム戦争により破壊されて非常に残念だと思う。

しかし、その分広大な大地に栄華を極めた王国の想像を掻き立てられ、また二度と戦争をしてはいけないとの気持ちが強くなる、そんな感情を揺さぶられる旅になると思います。

ベトナムを歴史において、このチャンパ王国繁栄とホーチミンでの近代史を見ると、より深くベトナムの国の形を知ることができると思いますので、是非お勧めします。

ほな、友人と、一人で、旅いこか。