「多民族・多文化」カオスの街と歴史を垣間見たカトマンズ【世界旅行記ネパール編その1】

2022年1月6日友人と, 東南アジア, 海外2000年, アジア, ネパール

カトマンズ

この記事では、ネパールのカトマンズについて書いていきます。

オイラがカトマンズを訪れたのは2000年12月。もう19年も昔のことです。ちなみにこの頃は、まだ独身でした。

それではネパール・カトマンズの友人との旅の様子を、どうぞ。

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この旅の魅力

カトマンズ盆地は、インドとチベットを結ぶ交易の中継地として繁栄した街である。1979年にはユネスコ世界文化遺産に登録。

周囲は標高の高い、万年雪の緑深い美しい姿で人々を魅了してやまないヒマラヤ山脈に囲まれ、中国とインドの間に位置することで交易により人・モノが活性化し多様な文化と多民族が共存する独自の文化をもつに至った国ネパール。

ここでは、多民族でカオス的色彩の濃い街を見て、何故かしら親しみを感じながらも日本では絶対に味わえない異国感を満喫できます。

独特の文化と大自然に囲まれたカトマンズ

googleMAPで見るカトマンズ

まずは、カトマンズ、バクタプル、パタン、の3都を有するカトマンズ盆地へ。カトマンズはココ↑

街の基本構造

カトマンズ盆地にある3都にはそれぞれダルバール広場※①があり、それぞれダルバール広場を中心として寺院、その周りに商人や職人、さらにその周りに農民、が街の基本構造となっている。

※①
Q1.ダルバール広場とは?
A1.ダルバールとは、ネパール語で“王宮”を意味しており、ダルバール広場はマッラ王朝時代の3都市の王それぞれが設計から寺院や装飾等の美しさを競って作り上げた広場。そのため、3都それぞれにダルバール広場があり、今なお、その美しい景観から観光名所となっています。

また、城壁内の住居は、中庭を囲うように周囲に数階建てとしており、地元でとった土をその場で乾かし焼き上げて作ったレンガで建てている。

都市の風景

カトマンズの都市の風景

このカトマンズの都市の風景は、王朝時代からの歴史と共に生き続け、街には多様な建物があり、「貧しいながらも美しい都市」を形成していた。

この歴史と建築物を併せて見ると、感慨深いものがある。

ゴールデンゲート(旧王宮の入り口)

ゴールデンゲート(旧王宮の入り口)

奥には55窓の宮殿が見える。

ダッタトラヤ寺院

ダッタトラヤ寺院

バグタプルで最も古いタチュパル広場の中央に位置する。

1427年、ヤクシャ・マッラ王の時代に建立。ダッタトラヤはヴィシュヌ神の化身であるが故、前にはガルーダの像があります。

また、ダッタトラヤは仏陀の従兄弟であるため、仏教徒にとっても重要な寺院であり、ヒンドゥー教徒、仏教徒、両者が参拝する寺院でもあるのです。

「孔雀の窓」

木彫りの傑作「孔雀の窓」

写真ではわかりにくいかもしれませんが、なんとこれ、木彫りなんです。当時聞いた街の人の話では、「木彫りの傑作」と呼ばれているそうな。

窓にはこんな装飾も。この木彫りも見事だと思うが、窓から覗いているのは何の神?

バイラブナート寺院

この寺院は、ヒンドゥー教シヴァ神の化身であるバイラブを祀る寺院として17世紀に建立。

当初は1層建てであったが、1717年に2層に、1934年に3層に増築している。

バシュバティ寺院

バシュバティ寺院

装飾が煌びやか、今なお当時の栄華が息づいている。

ニャタポラ寺院

ニャタポラ寺院

ネパールで一番高い30mをほこる寺院、ニャタポラとは五重ノ屋根を意味する。

石段には、下から伝説の戦士、象、獅子、グリフィン、女神、の石像が左右に設置されている。

沐浴場

沐浴場

蛇の像に睨まれているように感じる。

バグタプル国立美術館

バグタプル国立美術館

当時は建物の補修や修復をしてたらしく、写真の右上に裸足で足場に上っている男性がいる。

55窓の宮殿

55窓の宮殿

ネワール建築の傑作といわれ、木彫りの緻密な彫刻が施されている。

伝統の技術と工芸

広場で陶器を作る男性

陶器広場、広場の中で手動でろくろを回し陶器を作っています。

街行く現地の人々が見とれるほどの熟練技術を持っており、あっという間に作っていきます。

その他

ネパールの三輪車

ネパールの三輪車。

アジアらしくカラフルで、前輪には(世界で唯一矩形でない)国旗もついている

ネパールってこんな国

ネパールの正式名称は「ネパール連邦民主共和国」。国土は日本の約40%で、人口はなんと日本の約5分の1となる2650万人。こう考えると、とても小さな国だというのがわかる。

また、ネパールで有名な地といえば、歴史では、仏教4大聖地であるお釈迦様生誕の地ルンビニがある。自然では、東西800Kmに渡るヒマラヤ山脈に世界最高峰8844mのエベレストがある(富士山の3776mの2.3倍以上ですね)。

カトマンズ盆地の歴史は、旧石器時代から人が住んでいたことが判明しており、ドゥマカール遺跡で発見された木具は紀元前2万7400年前のものと推定された。ネパール中央部に位置しヒマラヤ山脈の麓に広がるカトマンズ盆地は、標高1300m超。

中世期の13世紀初頭からマッラ王朝が支配、15世紀中ばには芸術と美しい建築物を含め最盛期を迎えたが、1484年にバクタプル、1619年にパタン、が独立しマッラ王朝は3都に分裂。その後、カトマンズ盆地西の小国グルカ王国(後のネパール王国)が1768年~1769年にかけ3つのマッラ王朝を滅ぼし、ネパール王国の時代が始まった。

1846年には宰相がラナ家の世襲となり鎖国時代となるが、王政復古により1951年トリブバン国王が王位につき開国。2008年王室が廃止される。

雄大な大自然、そのもとで独自文化を形成したネパール!【世界旅行記 ネパール編その2】に続きます。

追記

2015年4月25日、首都カトマンズ北西77Kmでマグニチュード8レベルのネパール大地震が発生、カトマンズは甚大な被害を受けた。ネパールは早期復興に努めるものの、一大産業である観光への打撃も大きく、観光収入は2016年には前年比約28%減となりました。

しかし、2018年度は震災前の2014年度に対して約36%増と過去最高になるまで回復しています。

ネパール政府は、2020年までに観光客を年間200万人にする(2018年度推定120万人)という目標を掲げ、世界遺産の修復も急いでいます。

観光客が押し寄せる前がネパール旅行のチャンスでもあり、旅行者ができる一つの復興支援ともなることを付け加えておきます。

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