7200年前からの悠久の歴史に思いを馳せて、瀋陽の旅【世界旅行記中国編遼寧省】
中国近代史ラストエンペラーを訪ねて長春へ【世界旅行記中国編吉林省】より続く。
オイラは、2011年1月に長春市で満州国皇宮を観光した後、瀋陽市へ移動した。
この旅の魅力
瀋陽市の見どころは、2004年に世界遺産に指定「明・清王朝の皇帝墓群」されている瀋陽故宮、昭陵(北稜)、福陵(東陵)、に加え、張学良旧居、張氏師府。古くから中国東北地方で栄華を極め、繁栄してきた最大の都市。
見どころが多いだけでなく日本の歴史と照らし合わせて見ること等各自の見方で楽しむことができます。はたしてどんな歴史を垣間見ることが出来るのかと魅力満載です。
明・清王朝の皇帝墓群
瀋陽市はココ⇑
瀋陽市
先ずは、瀋陽北駅に到着。この駅はとにかくでかい、でかすぎる。
瀋陽北駅
福陵
まずは、車で福陵へ。
福陵は、清の前身、後金の初代皇帝ヌルハチ及び第2代皇帝ホンタイジの生母イエヘナラの陵墓であり、1651年に完成した。日本では徳川家康が江戸幕府を開いた1603年の約50年後。瀋陽の中心部から東にある東稜公園にあることから東稜とも言います。
広大な土地で、できれば時間をとってゆっくり悠久の時を感じながら散策したいぐらいです。
雄獅子(狛犬)がお出迎え、あまりの寒さによだれを垂らしているよう。
福凌へは参道をてくてく20分ほど歩きます。
そして、煩悩の数108段の石段を登った丘の上に福陵が見えてきました。おそらく中国では道教の考え方不吉な数である108を踏みつけて平穏無事を願うという意味だろう。
この上まで行って、門をくぐるとそこにはなんともいえない、優雅な空間が広がっています。
まるで絵画のようなおしゃれなたたずまい、その時代の権力の大きさが伺えます。中央は隆恩殿、東西には配殿、が建てられています。
牡丹の花と花瓶の絵画。中国の国花であり、強さと富の象徴。牡丹には葉が多く、多彩な色彩から中国56の民族をイメージして国花としたとも言います。
瀋陽故宮博物院
北京に遷都する前の故宮、瀋陽市の中心部にありながら当時の権力の大きさに思いを馳せつつ現在の状況と対比することが出来る。門の後ろにはかすかに高層ビルも見える。瀋陽故宮は、清朝建国の礎を築いた初代皇帝ヌルハチと第二代皇帝ホンタイジが住んでいたところ。
大政殿。瀋陽故宮の中で最も古い建物。縁起の良い8角形であり、写真の玉座があり皇帝が鎮座し式典を行ったという。
鳳凰楼、当時は瀋陽で最も高い建物で、会議や宴会を行った場所という。
正大光明の文字が。現在の公明正大と同じ意味であろう。今も昔も時の権力者は公明正大でなければリーダーにはなれないだろうと、考える。第三代皇帝順治帝の文字のようだ。
観劇舞台
老辺餃子館
相当歩いたので、少し腹ごしらえをする。瀋陽の水餃子は美味い。
昭陵
昭陵は、清の前身、後金の第2代皇帝ホンタイジとその妻考端文皇后の陵墓、福陵と同年1651年に完成。瀋陽の中心部から北にある北稜公園にあることから北稜とも言います。
公園は福陵と同様に広大、330万㎡と東陵と並び瀋陽市最大級。こちらも福陵と同様、絵画みたいな光景が広がります。
昭陵の参道
石碑坊
正紅門
この昭陵とは関係ないが、あまりに寒さ故に猫がアイスクリームのショーケースの中で温まっていた。おもしろかったのでパシャリ(自作自演じゃありません)。このショーケースは、恐らく使ってなく、今後も使わないことを願う。
隆恩門、昭陵の中心です。
隆恩門の向こう側は方城という区画(宝頂は円城という区画にある)になり、正面に見える建物が隆恩殿となります。因みに方城の四隅には角楼が建てられています。
右手は角楼、奥に宝頂が見える。
宝頂。この下にホンタイジ皇帝と考端文皇后が眠っているといいます。このお墓は、土盛りの丘の上に一本の楡の木があるだけ。これまで見てきた建物と対比的で非常にシンプル。それゆえ目立ち、お参りしたくなる。栄華を極めたとしても自身はシンプルに眠るという考えなのか?
はげしく共感、考えさせられます。
福陵で見た牡丹の花と花瓶の絵画は、ここにもありました。
昭陵の中は、このバスでも移動できます。
奉天大和旅館(大和ホテル)
旅のついでに日本がかつて誇った大和ホテルを見てきた。1929年開業、終戦の1945年まで南満州鉄道が経営した奉天駅に隣接した超高級ホテル。当時は最高のホテルとして知られ、毛沢東、鄧小平、周恩来の宿泊者プレートがあったことからも格式の高さがわかる。現在は遼寧賓館として営業中。
戦前、日本は満州国で鉄道をめぐらし格式高いステーションホテルまで建設、当時の高度な建築技術や繁栄が偲ばれる存在である。
大和ホテルから見た景色。前面は中山広場、右手広場の中心には毛沢東像が建ってます。
瀋陽市ってこんな都市
瀋陽市は、中国遼寧省の省都。2011年は人口約800万人強。東北地方最大規模の都市、東北地方の文化・経済・交通・商業の中心地であり、鉄道と空路の運輸能力を持つ。また、歴史は古く7200年前の遺跡も存在することで有名。
1931年に関東軍が満州事変で占領した際には奉天市と改称、1945年に満州国の解体により瀋陽市に再度改称されている。経済では、瀋陽市は工業が盛んであり、市街には戦闘機生産工場や自動車生産工場等、多くの重工業が存在する都市である。
お勧め
瀋陽は、「明・清王朝の皇帝墓群」として世界遺産に選ばれただけあって、清の時代の栄華を悠久の時の流れに思いを馳せることができる場所。なにせ広大な土地なので、混雑もなくゆっくり見学することが出来ます。ここは、時間に余裕を持ち、一日かけてゆっくりじっくり散策するのがお勧めです。
家族でもよし、夫婦でもよし、友人とでもよし、一人でもよし、ほな旅いこか。